XROTORのUbuntuへの簡単インストール方法

XROTORというプロペラと風車の設計・解析ソフトがあって非常に有用です。
以前に↓にUbuntu上でのビルド方法を書いたのですが、更にインストールが簡単になりました。
XROTORがフリーソフトになってたのでUbuntu上で動かしてみた

sudo apt-add-repository ppa:vbkaisetsu/ppa
sudo apt-get update
sudo apt-get install xrotor

の3つのコマンドを打つだけです。
Koichi Akabeさんが個人でインストールしやすい形で置いてくれている状態なので、今のところUbuntuの11.10、11.04、10.10、10.04だけでしかインストールできません。それ以外のバージョンでは上のリンクのようにビルドしてください。
コマンドの内容としては、1行目でリポジトリを追加し、2行目でリポジトリの更新してから3行目でxrotorでインストールです。
リポジトリへのリンクは↓になります。
PPA for Koichi Akabe : Koichi Akabe

XROTORはすごく使えるソフトなのに解説みたいなものが海外含めてあまりないので、そのうち簡単な解説を書きたいと思っています。

ロケット用センサボード設計した【MTM07に出展予定】

趣味の電子工作ネタ。ブログの文体を統一できない系男子です。

今週末東京工業大学で行われるMake Tokyo Meeting(MTM07)という素人?の電子工作やなんだか面白いものを作ってる人の展示会に『はかるひと』という団体名で『加速度ジャイロ』の展示をします。
fenrirさんHirakuTOIDA さん両氏がすごいもの展示するのに混ざる形です。

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マーク・ドレラ先生に会いに行った

11月12日。人力飛行機ディスカッションと称する会があった。場所は東北大学
Daedalusという人力飛行機の世界最長飛行記録を持つ機体の設計者であるマークドレラ先生が東北大で行われた流体系の学会の特別招待講演のついでに、日本の人力飛行機業界の人が集まってマークドレラ先生を囲もうという会だった。
実際は東北大Windnauntsや金沢工業大学夢工房早稲田大学WASAやうち(Meister)の英語で30分程度の発表・質問などの後、懇親会を行った。

Meisterからは現役が英語発表するのは荷が重いということで、OBになって久しい自分が発表を行った。
人力飛行機の設計方法やMeisterではこうやって作っていますよということの紹介をした。
自分の中では神と崇めている設計者の前で設計方法のプレゼンをするなんて恥ずかしいと思いながら、現実は英語ができなさ過ぎて会話にならなかった笑

ドレラ先生に聞いた話

フェアリングの空気の入出流の考え方や主翼と胴体のつなげ方の話なんかを聞いて面白かった。
フェアリングの話はここに追記しておいた。
プロペラはどこの位置がいいのかって話ではどこでもそんなに変わらないのではないかとか、あと、ウィングレットの効果が中央部の曲げモーメントを変えなかったときに揚力分布から考えて誘導抗力が下がるなんて話とかとか、、、なんか色々聞いた気がするけど自分の中の英雄と会っているということで緊張してしまってだいぶ忘れてしまった笑
聞きたいことはたくさんあったけどあんまり聞けなかった。自分はもう人力飛行機作ることもなく、ファンとして見るぐらいだからまぁいいかとか思って見ていた。

発表内容

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能代宇宙イベント2011の思い出その2 UNISTAR打ち上げ編

8月のことを11月の今更書くのはちょっと恥ずかしいけど、今年の活動をまとめる時期かなぁと思って書いてみる。

能代宇宙イベントの中でUNISEC(大学で宇宙系のことをやってる団体の集まり)のプロジェクトとしてUNISTAR(ユニスター)というものがあった。
途中からだけど参加して良い経験を得られた。

UNISTARの目的

http://unisonspace.blogspot.com/2011/10/unistarproject.html
に書いてあるんだけど、

の3本柱。大学生でロケット作っている団体って両手に収まるぐらいはある。各地の学生ロケット団体が方針が違う・日数が少ない・自分たちのプロジェクトと同時並行・技術力()が違う、ということを乗り越えて1つのロケットを作り上げる!っていう熱いプロジェクトだった。

自分は当初は関わる予定はなく、サークルの後輩に参加させて他のところの技術なりプロジェクト運営方法なりを盗んできて欲しいなぁと緩く考えていた。

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能代宇宙イベント2011の思い出その1 CREATE打ち上げ編

2011年8月のことだけどまとめていなかったのでUNISECという団体に報告書を書いたついでに今更まとめてみる。

大学でCREATEというロケット作るサークルを主催しています(いました)。

はじまり

今回の記事の内容のはじまりは2010年度の能代宇宙イベントに見学に行ったところから。
単身での行き方を迷っていたら有人ロケット研究会の方たちに連れていってもらった。
見学していると「これは中々面白そうだ。」と思い次の年は参加しようと意気込んだ。

製作

時は移って、2011年度の4月。同期たちは就活やらなんやらで忙しそうな中、一人暇だったのでCREATEというサークルの新歓を一人でやって人数を集めた。
目標は大学内に継続的にロケットを作る団体を作ること。工業大学なだけあって、優秀な新入生が集まってくれた。

自分は他に気が散ってしまうことが多くて集中できない中、能代宇宙イベント2011に向けて動いた。新入生に講習したり、一緒に作業したり、まったりしたり。

7月中旬の授業が少なくなった頃から本気で作り始めた。
自分はディレクションの仕事がメインで実働は新入生だった。作業の中で同期や4年生も参加してくれた。

そんなこんな(作業場に籠りきりや徹夜とか)で完成した。全長2m弱・重量6kg程度。高度400m(場所の制限いっぱい)を目指したものになった。ロケットの挙動解析のためのアビオニクスも新入生が作ってくれた。5月の段階でマイコンって何?って状態から8月初旬までで良く作ってくれた。

マネージメントやディレクションだけでは工学部学生として面白く無いので自分でペイロード(ロケットが運ぶもの)も作った。上空を撮影しつつ、高度や姿勢、GPS位置情報を取得しようとした。

このペイロードは結果的には全くうまくいかなくて反省点ばかり。他の部分に自分のリソースを割きすぎた。

秋田県能代についてから


能代宇宙イベントの会場は全体的に草に覆われて必要な部分はキレイに整地されている環境だった。
風力発電の風車が回っているところでロケットを打ち上げるというワクワクが刺激される良い場所。
真夏だけど秋田県なだけあって猛暑ではなかった。


能代宇宙イベントは学生ロケットの打ち上げだけではなくて、小型模擬人工衛星の缶サットの人たちもたくさんいる。写真は東京工業大学の缶サットチーム。能代宇宙イベントの後、一部がうちに入ってくれて一緒に面白いことをしようとしている。


発射台にセッティングしている様子。


一度不点火してしまってネット中継の時間には間に合わなかったが、2度目の点火で無事に打ち上がった。

まっすぐ美しく上昇していった。このときの興奮は他では味わえない、良いモノ。


光学観測で高度の情報が得られた。
最高高度の時点でパラシュートを開こうとしたが、事前試験のしすぎによって扉を締めるための糸の通り道が擦れて普段と違う場所を通ってしまって扉が開ききらなかった。このときペイロードも展開せず。

高度50mまで自然落下してきたところで突然パラシュートが開いた。
想定以上の速度でパラシュートが突然ひらいたことによってパラシュート根元近くの塩ビ管の部分で割れた。
このことは搭載した加速度センサと角加速度センサからもわかる。

結果的に


狙ったミッションの完全成功とはいかなかった。しかし何もかもが新鮮であり、得られるものはすごく多かった。
なにより、終わった後のこの集合写真を見ていたら、「達成感とやりがい」は「お金」や「他のことをしていた時間」よりも貴重なものだなと思った。

SNS社の燃焼試験の見学に行ってきた

家や研究室に引き篭って作業しがちな毎日だけど、今年の夏の最後の思い出に北海道に行ってきた。

行ってきたという言い方は非常にニュアンスが違って、お邪魔したという方が正確で、もはや北海道に足を向けては寝られず北枕で寝るしか無いと思っているほど。

一般にホリエモンロケットと呼ばれているSNS社のロケットの燃焼試験を見学に行かせて頂いた。

SNS社(なつのロケット団)というのは完全民間でロケットを宇宙まで飛ばしてビジネスにしようという会社で、ものすごく濃ゆい人たちの集まりの会社。あと数年のうちにSNSのロケットが宇宙に行く計画を立てている。無謀な計画というわけではなく、枯れた技術(すごくイイ意味。褒め言葉)を使って安価に宇宙に行くロケットを作って宇宙ビジネスの需要を創りだそうとしている。

冗談みたいに濃い人達ばかりで、本気かよ!?と思うけど、大真面目。
某機関のエンジニアからSF作家・漫画家・アメリカで航空宇宙学んできた人・ホリエモンに至るまで自分とは離れた世界の人のイメージ。
実際は明るく迎えてくれて、何でも教えて貰えてすごく居心地が良かった。
何より作業場が人力飛行機を作っていた頃と大きさ的に似ていて懐かしさを覚えた。
CAMUIロケットという北海道発のロケットを作っている植松電機の作業場所でSNS社の燃焼試験は行われている。

「ほっかいどおおおおおおおお」って叫びたくなるぐらい広い場所ではあるが、人里離れた場所というわけではなくて町工場の隣でロケット作っているっていう不思議な感じ。真ん中に立ってるのが無重力実験場。右が電磁石を作っている工場で左がロケット作ってる場所。



植松電機は社会貢献と言うと簡単に言い過ぎだが、利益以外のことを考えて研修施設があり、そこに宿泊させてもらった。


奥に見えるのがエンジンで大きな筒になっているのが消音のための設備。
今回は500kgf級のエンジンということで爆音を期待、もとい予想していたが、消音されていたので思ったより音は出ていなかった。実験時は9月なのに寒くて燃焼試験後はエンジンの排熱で熱いぐらいに温まった消音装置に入って暖をとっていた。笑



ハザードが起こったときにも安全なように点火スイッチのあるコントロール室はコンテナの中。
2回目の燃焼試験のときには点火のスイッチを押させてもらえた。暫くは忘れられそうにない強い思い出になった。


いくらでも書くことはあるが、とにかく色々と勉強になった。
細かいノウハウ的な話やこれまでの経緯。公式サイトなどでは出てこないであろうことまで聞けたのはこれ以上なく面白かった。さらに、雲の上の話じゃなくてギリギリ頑張れば自分でも手の届きそうなところに面白い世界が広がっているんだということに気付けたのは一時の嬉しさに収まらない長く続くべき大きな収穫だった。


何より楽しそうにロケット開発をしているのが強烈に印象に残った。
自分も人力飛行機作っている頃はあれぐらい楽しくやれてたけど、これから先でアレほど充実してものつくりが出来るのか考えさせられた。
サラリーマンじゃなくて自由業に憧れてしまう3日間の北海道だった。笑


SNS社にはちょっと前から色んなところで目にして耳にしてきて憧れを持っていた。そんなところに見学に行く機会を与えてくれたチーフエンジニアの牧野さんには感謝してもしきれません。

交流飛行会2011に行ってきた


ロケットのことを書きたいんだけど、重いから時系列が前後するけど交流飛行会のことを少しだけ。

8月28日に富士川滑空場で交流飛行会というイベントに行ってきた。
人力飛行機のフライト見つつ展示もある感じのイベント。
100人以上集まったみたいで、滑走路にこんなに人が集まるのを見るのはオキシライド乾電池で人を飛ばす企画のときの報道陣以来ですごいなと思った。

正直かなり気軽なノリで見に行ってたが、かなり興味惹かれることがあって面白かった。

鳥コンの書類審査には落ちる大学であっても機体の完成度はかなり高く、きれいなフライトをする

上の写真は名古屋大学さんだけど、すごくキレイに飛んでた。
あと2つは低翼機だったけど、高翼機と作り方がかなり違うので、展示で近くで見れたのがよかった。


電機大FlightWorksの応力外皮構造のテストピースを見せてもらった


FlightWorksさんは次の機体に応力外皮構造を採用するとのことで、ちょこちょこ話しは聞いてたけど、実物を見せてもらった。製作技術がかなり高いので見せてもらえて興味深かった。今回持ってきたものは製作試験用ということであえて段差っぽいものが見えるが、形状精度も良さそうですごいなと。

Team'F'の電装を見せてもらった


Avionics for HPAで電装製作記録書いているHirakuTOIDAさんのアビオニクスを見せてもらえた。
自分が思い付く限り完璧で隙がない計器が現実に存在するってだけでワクワクが止まらない。
基板までプレゼントしてもらって、嬉しすぎた。

ドボン会やCoolthrustのCNCの話を聞いた

ドボン会や筑波大学さんはCNCで製作を行っているのはよく聞いてたけど、その自作CNCの製作者のKOROさんとお話できた。
ドボン会ブログ筑波大TBWのCNCのページに出てるけど、かなり高機能のものを自作してるっていう話を聞けたのはとても興味深かった。学部2年でCNCが自作できるなんて。

まとめ

うちに篭っているとわからないけど、外にはスゴイ人がスゴイことしてるなと感じられた。
そしてよく絡んでる鳥OBな人たちと会えたのでそれはそれで楽しかった。
鳥人間には現役として関わるつもりは無いけど非常に楽しめた飛行交流会だった。