能代宇宙イベント2011の思い出その1 CREATE打ち上げ編

2011年8月のことだけどまとめていなかったのでUNISECという団体に報告書を書いたついでに今更まとめてみる。

大学でCREATEというロケット作るサークルを主催しています(いました)。

はじまり

今回の記事の内容のはじまりは2010年度の能代宇宙イベントに見学に行ったところから。
単身での行き方を迷っていたら有人ロケット研究会の方たちに連れていってもらった。
見学していると「これは中々面白そうだ。」と思い次の年は参加しようと意気込んだ。

製作

時は移って、2011年度の4月。同期たちは就活やらなんやらで忙しそうな中、一人暇だったのでCREATEというサークルの新歓を一人でやって人数を集めた。
目標は大学内に継続的にロケットを作る団体を作ること。工業大学なだけあって、優秀な新入生が集まってくれた。

自分は他に気が散ってしまうことが多くて集中できない中、能代宇宙イベント2011に向けて動いた。新入生に講習したり、一緒に作業したり、まったりしたり。

7月中旬の授業が少なくなった頃から本気で作り始めた。
自分はディレクションの仕事がメインで実働は新入生だった。作業の中で同期や4年生も参加してくれた。

そんなこんな(作業場に籠りきりや徹夜とか)で完成した。全長2m弱・重量6kg程度。高度400m(場所の制限いっぱい)を目指したものになった。ロケットの挙動解析のためのアビオニクスも新入生が作ってくれた。5月の段階でマイコンって何?って状態から8月初旬までで良く作ってくれた。

マネージメントやディレクションだけでは工学部学生として面白く無いので自分でペイロード(ロケットが運ぶもの)も作った。上空を撮影しつつ、高度や姿勢、GPS位置情報を取得しようとした。

このペイロードは結果的には全くうまくいかなくて反省点ばかり。他の部分に自分のリソースを割きすぎた。

秋田県能代についてから


能代宇宙イベントの会場は全体的に草に覆われて必要な部分はキレイに整地されている環境だった。
風力発電の風車が回っているところでロケットを打ち上げるというワクワクが刺激される良い場所。
真夏だけど秋田県なだけあって猛暑ではなかった。


能代宇宙イベントは学生ロケットの打ち上げだけではなくて、小型模擬人工衛星の缶サットの人たちもたくさんいる。写真は東京工業大学の缶サットチーム。能代宇宙イベントの後、一部がうちに入ってくれて一緒に面白いことをしようとしている。


発射台にセッティングしている様子。


一度不点火してしまってネット中継の時間には間に合わなかったが、2度目の点火で無事に打ち上がった。

まっすぐ美しく上昇していった。このときの興奮は他では味わえない、良いモノ。


光学観測で高度の情報が得られた。
最高高度の時点でパラシュートを開こうとしたが、事前試験のしすぎによって扉を締めるための糸の通り道が擦れて普段と違う場所を通ってしまって扉が開ききらなかった。このときペイロードも展開せず。

高度50mまで自然落下してきたところで突然パラシュートが開いた。
想定以上の速度でパラシュートが突然ひらいたことによってパラシュート根元近くの塩ビ管の部分で割れた。
このことは搭載した加速度センサと角加速度センサからもわかる。

結果的に


狙ったミッションの完全成功とはいかなかった。しかし何もかもが新鮮であり、得られるものはすごく多かった。
なにより、終わった後のこの集合写真を見ていたら、「達成感とやりがい」は「お金」や「他のことをしていた時間」よりも貴重なものだなと思った。