鳥人間で使う薬品等の安全管理
人力飛行機を作ってる人が何人か見てくれるブログになったのでうざいだろうけど少し啓蒙活動を。
言いたいことは
・接着によく使うエポキシ樹脂の主剤のビスフェノールAなどは体に影響があるんじゃないかと言われている
・エポ作業のときは汚れていい長袖長ズボンの服に着替えて手袋を必ずする。
・カーボンの粉末はできるだけ吸わない方がいい
・刺激物を使う作業が多いから換気を常に心がける
・MSDS(化学物質安全性データシート)を誰でも見られるように印刷して作業場に置いておく
・対策をすれば怖くない、対策しないと危ない
各物質のMSDSはググれば出てくるし、どのMSDSでも大丈夫だから見ておくといい。
特にエポキシ樹脂関係
こういう安全管理の話って1年やそこらで忘れられていくので定期的に誰かが言わないといけないよね。
管理する方も言う方もめんどくさいからやりたがらないけど
↓↓↓↓↓↓↓twitterで話したまとめ↓↓↓↓↓↓↓
http://togetter.com/li/73612
(ブログとtwitterはリンクさせないつもりだったのにな・・・
ロケットの推力測定を安く簡単に
ここのところ更新せずでした。
ちょっとばかり忙しかったけれどMTM06に出展してた。
今回の記事は
ハイブリッドロケットを打ち上げようとして、そのエンジンの推力測定を行ったことについて。
測定したいことは推力。
本当は燃焼圧とか温度変化とかみたいことが沢山あったんだけど
一番大事なのは推力測定。
推力測定にはいろいろ方法があるけど、とにかく安く済ませたかったので
システムとしては
・ロードセル
・計装アンプ
・デジタルオシロスコープ
・RS232Cで繋いだPC
で行った。
ロードセルとは中にひずみゲージが入った力測定器で、今回は
測定上限が500N程度だったので初期加重のことを考えて1000Nまで測定可能なDigi-keyの
http://ow.ly/2M61M
のものを使用。中にアンプが入っていなくて出力が〜100mV。なのでアンプをかませてあげないと測定できない。
計装アンプは秋月で買えるINA128
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-01755/
を使用。抵抗を一つ代えてあげるだけでゲインが変わる。10000倍までは周波数特性が良く測定できるみたい。
増幅部分の部品としてはこのアンプのICと抵抗2本、セラコン1つという簡単さ。
デジタルオシロスコープは借りることが出来きた。
岩通計測株式会社のBringo DS-8812というもの
http://www.keisoku-gb.com/kigyou/iwatsu_keisoku/DS8814_8812.html
これに、波形データをPCに送ってくれる
http://www.vector.co.jp/soft/win95/hardware/se248489.html
のソフトを入れて、RS-232CとUSB変換ケーブルでUSB接続したPCに接続
あとはごちゃごちゃとオシロスコープ弄れば測定出来る。
今回は時間がなかったし、デジタルオシロスコープ借りることが出来たからこういう計測系だけど、アンプ以降はマイコンでA/D変換してPCとシリアル通信させるとかが安いだろう。
例えばarduinoでA/D変換するとUSBで簡単にPCにデータを送ることが出来るから、これが良さそうとにらんでる。
http://www.eleki-jack.com/FC/2009/01/23arduinoarduino5.html
http://d.hatena.ne.jp/sugan/20081114/1226686279
を見る限り
10bit精度で2kHz以上でサンプリングできるからそこそこの計測はできそう。
0.1kgf程度の精度じゃ物足らなくなったら他の方法を考えるけど、取りあえずは十分そう。
工大祭はやぶさ
これまでにブログに龍勢祭りに行ったことや筑波の宇宙センターに特別公開ということで行ったことを書こうと思ったけど、めんどくさくなったので今日ぐらいは書く。
東工大の工大祭(10月23・24日開催)に行ってきました。行ってきましたというかいつも通り登校したというか・・・
サークルの直属の後輩がはやぶさ模型を作っていたので写真をUpload
実物大のはやぶさ模型
製作期間1.5ヶ月の突貫工事
製作費12万円
細かいところまでよく作り込まれているから感動した
前日にテレビ朝日で朝に生中継されるくらいに東工大も押し押しの企画
行ったときは人も多くて大盛況
JAXAからの借り物もあったからか2人も警備員の人がいた
姿勢制御用のスラスタはシャンパングラス、いとかわの土を入れるためのカプセルは家の蛍光灯のフタ、イオンエンジン部分はヤフオクでそれっぽいやつを購入
と予算無い中頑張ってた
相模原に行って話を聞いたり、はやぶさ写真集から細かいところを検討してるのがよくわかる。
すごいな
そんな中、
はやぶさコスプレの中の人の秋の『』さんがニコニコ技術文化祭のパネリストとしてのついで?として
はやぶさ模型のところにも来てました。
たまたま居合わせて写真撮らせて頂きました。
模型展示場で展開!
はやぶさ模型とはやぶさコスのコラボ!
秋の『』さんと模型がちゃんと写ってる写真は自分も入ってるからパスで、、、
宇宙好きな人の間で有名で各所で活躍の秋の『』さん
美人なだけじゃなくて、コスプレ全部自作で工作しまくりだったり、理系(航空宇宙が主なのかな?)が好きで詳しかったり、快く写真を撮らせてもらったり、、、いい人でした
ファンになった!
カナダの人力はばたき機
先日鳥人間コンテスト2010の放送があった。
昔所属していたサークルがディスタンス部門で優勝。
OBなんで全く関係ない人間だけれど、嬉しい限り。
そんな鳥コンの放送日にして知った@kazuhito さんのつぶやきで知った人力はばたき機があるってニュースですごくビックリした。
Human-Powered Ornithopter(HPO)っていう言葉も初見だった。
カナダの学生チームが人力のはばたき機を作ってはばたき時間19秒、距離145mのフライトに成功した、というもの。
ただし、自力離陸ではない。車で牽引してもらい、離陸後19秒間羽ばたき続けられたという記録。
羽ばたきは揚力を生む動作じゃなくて、推力を生むためのものなので正直わかりにくいが、高度・速度の低下なしで19秒間いられたのは羽ばたいていたから。
現在FAIに認証してもらうための申請をしているところ。機体はこれ以上飛ばすことなく、博物館で展示予定らしい。
他のニュースでいうと
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2760340/6245152
http://www.youtube.com/watch?v=xyusanywv5g
公式としては
http://hpo.ornithopter.net/
ここに置いてあるOverViewのpdfが面白かったし、この記事の元ネタはそれ。
youtubeにチャンネルもあって動画がまとまっている
写真はflickrに上げられている
同じくflickrに非常に興味深い写真が山のように。
諸元は
機体名 | Snowbird |
空虚重量 | 43.5kg |
総重量 | 114.3kg |
スパン | 32m |
翼面積 | 29.6m2 |
揚抗比 | 20.9(設計機速時) |
必要パワー | 620W |
羽ばたき振動数 | 0.65Hz |
製作期間 | 4年 |
製作費用 | $200,000 |
製作はカナダのトロント大学の学生たち。チーフエンジニア兼プロジェクトマネージャー兼パイロットで博士課程のTodd Reichertがリーダーやってるみたい。
製作には20人の学部・修士の学生と10人の交換留学生で作ったらしい。
スパン、翼面積は日本でよく使われる長距離を狙う人力飛行機によくある領域。
空虚重量はそこそこ飛ぶ人力飛行機の中では少し重めの領域。
最初に諸元見たときにプロペラ機を見たかと思ったぐらい。
パイロットが70.8kgと少し(いや、かなり)重め。
身長が176cmにしてももう少し絞れそうな気がするけど、設計とプロマネも兼任してるしすごい。
パイロットやるために8kgのダイエットと1年間のトレーニングをしたっていうんだから、がんばりはハンパ無い。
ダイダロス型などのプロペラの人力飛行機と比較するつつ特徴を書き出す
全体として
- プロペラ無し
はばたき機って言ってるんだから当たり前だけど、揚力を得るために羽ばたいているのではない。プロペラの推力のかわりとして羽ばたいている。
- 機速7m/s
FAIに認定してもらうための資料のフライトログによると、車で牽引してもらって対気速度7m/sで離陸、高度3mになった時点で牽引ロープを外して羽ばたきスタート。20秒程度羽ばたいている間少し遅くなっているものの高度の低下なし。運動エネルギーと位置エネルギーの総量ははばたきの間ほとんど変化無し。単なる滑空とは明らかに違うのがわかる。
主翼
- 主翼の外側の部分(うちの方言でD翼)で上半角・後退角がついてる
- 翼端にレイクド・ウイングチップみたいな変な翼がついてる
これこそ羽ばたき機に必要なものだと思うけど、どういう理由で後退角やウイングチップをつけてるのかわからない。
- かなりの高翼
翼を地面に付けないようにというのと、ロール安定を取るためか?
- キングポスト付きのフライングワイヤー・ランディングワイヤー有り
これはダイダロス型からの設計っぽい。翼根のあたりの剛性と安全率が欲しいのか?
- 主翼の翼型
ダイダロスに使われてたDAEシリーズではなさそう。DAEに比べて翼厚大きくてキャンバーが小さい。無駄なものが付いてない羽ばたき機にしては滑空比が小さいことから、揚抗比を上げるための翼というよりも、失速しにくさと製作精度に細かいこと言わない翼型にしていると思う。もっと妄想を進めると、剛性を高めるために翼端まで主桁とリアスパーを太いまま通すために性能無視で翼厚を大きいものを選んでる、と考えることも出来る。
- 主翼リブの発泡材
スタイロではなさそう。白い色だけだと何か判断できない
- 主翼リブに1/4リブ
前縁上側だけ覆うようなリブがついている。前縁材の形状保持のためだと思われる。大きな方のリブとは素材が違うっぽい(違うのは色だけかも)。
- ストリンガーがついてない
ストリンガーがついてる写真が一枚も無いんですけど、、、かなり衝撃を受けた
- 桁全体
真空引きをしている写真があるからウェット?と思ったがスポンサーにここがあることからドライのプリプレグだと思う。ピールクロスで樹脂を少し抜いて使ってるっぽい。東北大方式か?
- リアスパーやブレーシングワイヤーなど
ここらへんはダイダロスと同じ方式を使っているが、途中で終わりではなく、翼端までリアスパーとブレーシングワイヤーがついている。ねじり剛性はかなり注意深く設計してそう。
- 翼端の構造
よくわからない!
尾翼と尾翼までのパイプ
一本しかないとパッと見、危ないんじゃないかと心配になる(笑)
- コクピットフレームから胴体パイプに前後にワイヤーを貼っている
ゴッサマー・コンドルとかからの設計かな?動画を見るとわかるが、ワイヤーにしているせいで胴体パイプの剛性不足が気になってしまう
- 胴体パイプが短く、安定を取るために尾翼の面積が大きい
静安定を取るために尾翼面積が大きいが、動安定はダイダロスなどより低そう。水平尾翼が大きいためにはばたきのたびに水平尾翼がたわんでいる。画像を見ると水平尾翼の桁の径はΦ60程度ありそうなのに水平尾翼まで羽ばたいている。CFRPの剛性をもっとうまく使えば、水平尾翼が羽ばたかない程度に小さくできると思う。が、動安定を減らすようにと、尾翼を地面と接触させないために敢えてやっているのかも?
人力飛行機だとごくごく当たり前の方式。バルサリブでスタイロ前縁材方式は珍しいかも。ストリンガーが発泡剤に見えないこともない、すごく大きいです。後縁はバルサじゃない木材っぽい。もしくはバルサにラッカー塗ってるか。UDのカーボンシートを2列に貼って補強してる。
- やたらとケブラー繊維使ってる
胴体パイプやリアスパ周りなどにやたらとケブラー繊維使ってる。スポンサーにケブラー卸してる会社があるからか。重量増を少なくしてがっちり作ろうとしてて、こういうところに設計思想みえるなと思う
- FBW
サーボが見えるからフライバイワイヤーのようだ。胴体の剛性がないためと、研究としては再現性の良さのために使っている?
駆動とフェアリング
- rawingbike
rawingbikeという会社が作ってる自転車の方式。ボートを漕ぐみたいにして翼を引っ張っている。ペダルのスライド部分に動滑車の滑車側にヒモを付ける。軸側に翼に渡すヒモを付ける。動滑車使うのがポイント
- ケブラー繊維で引っ張っている
ケブラー大活躍
- 出力620W
一般成人男性が2時間出し続ける出力は100W強〜200W弱、アスリートで300W。30分出し続けられる出力は一般成人男性で200W強、アスリートで300W強。ただし人間は1分未満の短時間なら出力を上げられる。一般成人男性で600Wを30秒、アスリートで600Wを1分出すことが出来る。(NASAのBioastronautics report,1964より)
この短時間の大出力を狙って設計されている。
だからこの羽ばたき機でどこまでも行けるというのは間違いで、どんなに頑張っても1分未満しか飛べない。しかも自力離陸はまず不可能。
- ウェイトパワーレイシオ
人力機だとウェイトパワーレイシオ(パイロットの体重あたりの出力)が大事。プロペラの低速機(7m/s程度)だと3〜4、高速機(8m/s以上)で4〜6。つまり体重60kgのパイロットだと200W〜360Wぐらいになる。
しかしこの「Snow Bird」は9。
- 車輪は後輪だけ
後輪にしか車輪がついていない。前輪に相当する部分には出っ張りがついていて、おそらくソリみたいに滑っている
- フェアリングはGFRPの積層
ノーズから下面側の部分と頭付近の部分は骨組み付きGFRP積層でできている。フェアリングは発泡スチロールで作る物だという先入観があるから積層の写真を見て理解できなかった。クラッシュの可能性を考えて長く使えるように考えてあるのだろう。グライダーの設計屋さんの発想な感じ。このフェアリングのせいで重量増になってるだろうが、水の上を飛ぶので無ければ普通は発砲スチロールは使わないんだなと。
重量とテストフライト
- 機体重量43.5kg
駆動のシステムが極めてシンプルな割に重い。胴体パイプの剛性が低いからそこには重量注いでないはずだし、コクピットフレームと主翼の1次構造材をかなり頑丈に作ってあると思われる。
- 組み立て人数
主翼を機械を使って持ち上げることによって、5人程度で組み上げることができる
- グラウンドクルー
主翼をすらないように高翼に設計してあるのと、フェアリングの前の部分をどっしり地面につけるために着地してからもかなり安定している。そのためにグランドクルーがほとんどいらないようになっている。
感想
この人たちのこのプロジェクトの前のものがこれ
公式サイトはhttp://www.ornithopter.net/index_e.html
エンジン付きの羽ばたき機。推力は羽ばたきだけから得られていると思うと、結構すごいけど、、、
世界オモシロ動画みたいにしかならないのがもったいない。
ここから優雅な人力羽ばたき機にプロジェクト変更と実際に活動できたっていうのは驚愕。
しかも学生チーム!
人力の羽ばたき機の製作に関して
これだけ製作過程が公開されていれば、リバースエンジニアリングは可能だろう。
羽ばたきで推力を生む方法の勉強ができれば、製作技術的には日本の鳥人間の中で十分に確立されているものばかりなので困難は少なそう。Snowbirdはお金かかりすぎだけど、プロペラ機ぐらいの製作費で十分可能なはず。
来年以降の鳥人間コンテストが万が一なくなるようなことがあったら、人力羽ばたき機作ってくれる学生チームないかなぁ。もしくは目標を失ってる社会人チームとか。。。
重心移動じゃない羽ばたき機が日本でも見てみたいなぁ。作られることがあったら、写真撮りに行きたい!!
Impossible is nothing
外側のply構成
考えたこと
- 軸圧縮の破断応力
- 半径方向の剛性
ply構成
借りられるマンドレルはΦ90,100.110.120から選択なので
缶サットやパラシュートが入る条件で最小のΦ100を選択
ply構成は内側から[90/0/0/0/45/45/90/90]
一見ちょっと多い90度
内側と外側に90°層を配置し0°や45°をエポ層のコア材と考えてサンドイッチ構造の考え方で
半径方向の剛性をUP
内側より外側に有った方が断面二次モーメント的に少しだけ有利かと考えて外側は2層.
0度層の枚数
最大軸力はSpaceCADのEngineEditのところから地面に向けて発射したとき(笑)を考えて
450Nや600N程度と考えた.
これに0度層と45度の影響係数0.25で繊維体積含有率も考慮して応力を計算した.
破断まではそれでもオーダー2つの余裕がある
厚み
局所座屈応力が圧縮応力以下にならないように厚みを考えて8plyでt=1.0mm前後
後日Solidworksで解析っぽい遊びをしてみて剛性を確かめてみる.
もう少し断面二次モーメント稼ぎたくなったら内側に90度を1plyと
0度を1ply増やす予定.増えてもt=1.2mm
まとめ
塩化ビニルパイプでΦ100,t=2mmのときと安全率は変えずに
- 大幅な剛性のUP
- 重量40%OFF(30%OFF)
※対称ply構成とか気にしてない
※端部はクロス貼って端部への撃力によるクラックの進行を止める
強度計算brazierの式とか
人力飛行機なお話。
1次構造材のCFRPの桁の強度設計周りの話。
ネット上で探そうとしてもなかなか見つからない円筒パイプの局部座屈に関する式brazierの式のメモ。
(あんまりまともに受け止めすぎると良いことは起きない記事。
個人的にはもう一生目にしないだろうと思ってたこれをこれからやりたいことに使う用事ができたからブログにしてみた。
brazierの式
パイプに曲げがかかると凸面に引っ張り、凹面に圧縮の力がかかる。FRPは圧縮強度が弱いから圧縮側から壊れてそれが全体に広まっていく。このときパイプの径が大きくて厚さが薄いと圧縮ではなく局部座屈によって破断する。その局部座屈の破断応力を式にしたのがbrazierさんが出した下の式
:局部座屈応力
:パイプの軸方向をx、その直交方向をyとしたときの弾性率
:x、y方向のポアソン比
:円筒パイプの厚さ
:円筒の直径
重要なのは座屈応力(壊れるときの力)がに反比例しているということ。
スカイスポーツシンポジウムの発表によると実験値と比較して修正係数0.5をかけると良く合うらしい。((これも積層構成や製作精度によるからどこまで信頼するかって話になるけど、、、
0.5をかけた式は↓
さらに、が小さい=桁径が小さくて、肉厚のときは破断応力はある程度の値で一定になるらしい
以上からわかることは
桁は局所座屈応力と曲げの破断応力の小さい方から壊れるので
- 大直径にすると断面二次モーメントかせげて曲げによる応力が減るから薄肉で軽く作れる!やったね!って思えるけどこんどは局部座屈が怖くなるよ
- 桁径やply構成を自由に変えられるなら上の式から出てくる局部座屈応力と曲げの破断応力を一致させると重量的に良い桁になるよ
【追記】よく考えたら言いたかったことが言えてなかったので
具体例として
パイプのx,yについて等方的だと仮定して、すごく怪しげな値を入れてみる
Ex,Ey =3.5*10^11[Pa]
νx,vy = 0.3
修正係数0.5(下の式に相当)
を当てはめてD/tの関数としてグラフにすると
ここで直線は曲げ強度の参考値
HOPECさんの資料を参考した(http://www.hopec.jp/frppipe/data/index.html)
本当は曲げじゃなくて凹面の圧縮による破断じゃないかと思ってるけど値の幅が広い曲げ強度を持ってきた。
だいたいここの間の応力で折れるという直線。
自分の経験ではΦ90のply数7〜10で先のHOPECのサイトの圧縮強度の真ん中ぐらいに入ってる。
Φが小さくてply数が少ないと全然この範囲に入ってない。違ってくるのは最大主応力説で考えてるからだと思ってる。
考察(感想)
D/tが100以上になってくると曲げによる破断応力より局部座屈応力が低くなってくる可能性がある。
人力飛行機の主桁の中央部にはΦ100~130[mm]のCFRPパイプが使われることが多い。このとき厚さt=1.0[mm]以下の桁を設計するときは曲げ強度以外も怖くなってくる。
中央部以外に端部では曲げ応力が中央部に比べてかからないからって薄くしがち。4~5plyにするとD/tは100以上になりそう。端部付近の強度不足で折れてるところはほとんど見たこと無いから関係ないだろうけど!
製作精度高いしply構成的に修正係数こんなに低くないしと思えばこの記事自体関係ないけど!!
ってか自分の設計の時にはbrazierの式も余裕だったし全然関係なかったけど!!
追記
ソースが心配になってきたから少し調べた.読んでないけど参考文献として
L. G. Brazier On the Flexure of Thin Cylindrical Shells and Other "Thin" Sections
Proceedings of the Royal Society of London. Series A
Vol. 116, No. 773 (Sep. 1, 1927), pp. 104-114
http://www.jstor.org/pss/94717
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